①運動性肩関節痛
野球肩:
投球動作に伴う痛みが主な症状。具体的な部位診断名として、肩峰下滑液包美、三角筋下滑液包美、上腕二頭筋長頭腱美、棘上筋健板損傷
鍼灸治療対象部位取穴:
三角筋:臑会、臑俞、肩貞
上腕頸筋:結節間溝、天府、侠白
棘上筋:曲垣、乗風
僧帽筋:肩井、肩外俞
その他:肩関節周囲の運動通・圧痛部位・硬結部位など
②運動性肘関節痛
テンス肘:ラケットを使うスポーツにみられる病患である。前腕の伸筋腱は経度の断裂や炎症が生じ痛みがある。
ステージ1 | テニス中に痛みはないが変える後に痛む |
ステージ2 | テニスのプレー中に痛み、プレーに支障をもたす |
ステージ3 | 日常生活でも痛み、テンスができない。 |
フォアハンドテニス時:上級者にみられ、前腕の回内屈筋群付着部分痛みがある。
鍼灸治療:局所の炎症を抑えることが必要で痛みをとる。循環改善をはかるために治療を行う。
治療対像部位取穴
上腕骨外側上顆:曲池、肘髎
肘頭:天井
前腕伸筋群:手三里、陽池
肘窩:尺沢、曲沢
上腕骨内側上顆:小海、少海
前腕屈筋群:支正、大陵
その他:肘関節周囲の運動通・圧通部位、硬結部位など
③運動性腰痛
A) 腰部捻挫
スポーツ動作には腰を前・後屈、側屈、捻る(回旋)、重いものを挙上するなどがあり、これらの動作によって腰部の筋・腱・靭帯など軟部組織が急激に伸展されたり、過度に収縮したりして、障害がしょうじやすい。
B) 脊椎分離症とすべり症
腰部の上関節突起と下関節突起の間、すなわち関節突起間部が離れ、椎骨が椎体、上関節突起、横突起、椎弓根を含む前方の大部分と、棘突起、下関節突起および椎弓を含む後方の小部分に分かれたものをいい(アリアの道)、大部分が大5腰椎
の両側に起こる。この医患は星状でもやく5%みられるといわれているが、スポーツ選手は発生頻度が高く(正常の3~5倍)、特に水泳飛び込み、重量挙げ、体操跳躍、体操競技、陸上短距離、柔道、バスケットボール、レスリング、ラグビーに多発している。
すべり症は、脊椎分離症を基礎として、腰部椎間板の変性が著明になると、分離のある椎体が、これより上位の椎体とともに前方へすべっていくことがある。これが脊椎すべり症である。
C) 椎間板へルニア
椎間板へルニアは頸椎でも腰椎でも起こるが、スポーツなど激しい動きをしたとき、腰椎の最も下にある椎間板には非常に大きな力が加わり、障害をうけやすくなる。下部腰椎に多く発生し、青年期以後に起こりやすく、あらゆるスポーツにみられる。
鍼灸治療:筋肉の柔軟性をつける。局所の血行を促進する。痛みを取るための治療。
鍼灸対像取穴:
腎俞、大腸俞、関之俞、次髎、環跳、秩辺、要中
④ 運動性膝関節痛
膝関節はスポーツの基本動作である支える・跳ぶ・蹴るなどで駆使される関節です。外傷や障害も多い部分である。例えば半月叛損傷、十字靭帯損傷、膝関節痛
、変形性膝関節通
鍼灸治療部位取穴
膝蓋靭帯:犢鼻、内・外膝眼
大腿四頭節:血海、染丘
脛骨外側:足三里、陽陵泉
脛骨内側:陰陵泉(鵞足部)
その他:膝蓋骨周囲、大腿四頭筋(大腿直筋、内側広筋、外側広筋)の有通部位など
治療方法:痛みのある部位を中心として治療を行う。
⑤運動性下肢痛:あらゆるスポーツで発生する
アキレス腱断裂、腓腹筋肉離れ、疲労骨折、アキレス腱炎、陽性コンパナメント症候群
鍼灸治療部位取穴
腓腹筋:承筋、承山
ヒラメ筋:飛陽、築賓
アキレス腱:崑崙、太谿
スポーツ障害治療の重要なポイント:
①早期治療に心がっけるようにしなけれならない。
②RICEの救急処置
R: rest ( 安静)
I : icing(冷却)
C : compression(圧迫)
E : elevation (挙上)